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原初の時代、宇宙にはただ高温のエネルギー体だけがあった。
そのエネルギー体はどこにも境目がない非常に高い振動数を持ったまばゆいばかりの美しい光の塊だった。
その美しい“全一性”は永遠に続くかに思えた。
しかし、ある時、神はその光に変化を与えてみるという遊びを思いついた。
すると、高温のエネルギー体はみるみるうちに拡散していき、 ある部分の振動数は高いままに留まったが、 ある部分の振動数は急激に落ちていき闇を作り出した。
46億年前、この原初の光の名残から地球が誕生した。
その8億年後、最初の生命が誕生した。
それはたった1つの細胞でできたシンプルなものだった。
いつしかそれらの細胞は共生を始め、 共生する細胞の数は次第に増えていった。
するとそれら多くの細胞を1つの意識で統制する必要が出てきた。
こうして“私”という意識と“時間の概念”が誕生した。
人類の誕生である。
人類が“私”と“時間の概念”を手にして以降、宇宙は2つに分断されてしまった。
“私の内側”と“私の外側”という2つの領域に。
薄っぺらな皮膚という境界線によって宇宙と自らを分断した“私”は苦しんだ。
私によって囲まれた領域は無限ともいえる宇宙のエネルギーから分断され、 次第に消耗していった。
そして“私”は原初の光の名残である太陽や星を眺めながら、 まだその分断のなかった有りし日々を懐かしんだ。
また富のあるものたちは黄金や宝石などの輝きを纏うことで、 分断のなかった時代の光を疑似体験しようとした。
しかし、それらの行為は虚しく終わるのが常だった。
やがて人類の中に“私”と“私以外”の分断を解消する 特殊な能力を有する者が現れた。
彼らは“ヨーギン”、“つなげる者”と呼ばれた。
ヨーギンたちは特殊な魔法を使って 原初の宇宙に満ちていた光に自由自在にアクセスすることができた。
だから彼らは“光明を得た者”として人々から崇められた。
そのヨーギンたちが操った魔法は“ヨーガ”と呼ばれた。
乳井真介著『ヨーカの魔法』より