リラヨガの哲学

原初の時代、宇宙にはただ高温のエネルギー体だけがあった。
そのエネルギー体はどこにも境目がない非常に高い振動数を持ったまばゆいばかりの美しい光の塊だった。
その美しい“全一性”は永遠に続くかに思えた。
しかし、ある時、神はその光に変化を与えてみるという遊びを思いついた。
すると、高温のエネルギー体はみるみるうちに拡散していき、 ある部分の振動数は高いままに留まったが、 ある部分の振動数は急激に落ちていき闇を作り出した。
46億年前、この原初の光の名残から地球が誕生した。
その8億年後、最初の生命が誕生した。
それはたった1つの細胞でできたシンプルなものだった。
いつしかそれらの細胞は共生を始め、 共生する細胞の数は次第に増えていった。
するとそれら多くの細胞を1つの意識で統制する必要が出てきた。
こうして“私”という意識と“時間の概念”が誕生した。
人類の誕生である。
人類が“私”と“時間の概念”を手にして以降、宇宙は2つに分断されてしまった。
“私の内側”と“私の外側”という2つの領域に。
薄っぺらな皮膚という境界線によって宇宙と自らを分断した“私”は苦しんだ。
私によって囲まれた領域は無限ともいえる宇宙のエネルギーから分断され、 次第に消耗していった。
そして“私”は原初の光の名残である太陽や星を眺めながら、 まだその分断のなかった有りし日々を懐かしんだ。
また富のあるものたちは黄金や宝石などの輝きを纏うことで、 分断のなかった時代の光を疑似体験しようとした。
しかし、それらの行為は虚しく終わるのが常だった。
やがて人類の中に“私”と“私以外”の分断を解消する 特殊な能力を有する者が現れた。
彼らは“ヨーギン”、“つなげる者”と呼ばれた。
ヨーギンたちは特殊な魔法を使って 原初の宇宙に満ちていた光に自由自在にアクセスすることができた。
だから彼らは“光明を得た者”として人々から崇められた。
そのヨーギンたちが操った魔法は“ヨーガ”と呼ばれた。

 

乳井真介著『ヨーカの魔法』より

Dance with Divines

伝統と科学の融合〜革新的なヨガシステム『リラヨガ』

「リラ」はサンスクリット語で“神々のダンス”を意味する言葉です。またフランス語では‟ライラック”を指し、「リラの咲く頃」という言葉は‟すばらしい季節”を意味します。どんな時でも笑顔を忘れず、目の前に広がる世界と華麗なダンスを踊りながら人生を歩んでいけるように。そんな願いを込めてこの名前をつけました。

私たちはヨガを古代インドの賢者たちが残してくれた、誰もが望む輝きと喜びに満ちた人生を手に入れるための‟魔法”であると考えています。ヨガの魔法を日本中へ届け、老若男女、誰もが、自らがこの世に生まれてきた真の意味を知り、人生を謳歌することのできる社会を作ること。それが私たちのミッションです。

大切にする価値観と活動

WiLL

ヨガの真の目的が成就するためにリラヨガでは次の3つの要素が大切だと考えています。

Will Power

自分の持つ無限の可能性を信じる「強い意志の力」

Logic

ヨガの伝統を重んじながらも、科学的見地に基づいた「確かな方法論」

Love

すべての人間、生物、存在との間に調和を築くための「愛」

創始者 乳井真介について

リラヨガ©︎は日本を代表するヨガマスターの一人である乳井真介によって20数年の歳月をかけて完成されました。アシュタンガヨガやアイアンガーヨガなどの要素を取り入れたハタヨガのアプローチ、ヨガ哲学、呼吸法、瞑想法、セラピー、ヒーリング、機能解剖学などこれまで世界中を旅しながら乳井真介が身につけた様々なヨガのエッセンスが一つのヨガに凝縮されています。

乳井真介のプロフィール

リラヨガ・インスティテュート代表。ヨガ講師、ヒーラー、ライフコーチ。東京都出身。1976年生まれ。早稲田大学第一文学部哲学専修卒業。

10代後半から「人はなぜこの世に生まれ、なぜ生きるのか?」という哲学的な問いに悩まされ、大学で西洋哲学を専攻。答えを見出せず、自殺まで考えるほどもがいていた23歳の時、新卒で就職した出版社を辞め渡印。ヨガと出会う。自分が探し求めていた答えが全てヨガ哲学に記されていたことに衝撃を受け、以降フリーターをしながら渡印を繰り返し、さまざまなヨガの技法と瞑想法、ヨガ哲学の教えを修得していく。同時にこの時期、自ら立ち上げたヨガサークルでヨガ指導を開始する。

2004年に都内大手ヨガスタジオの立ち上げに参加。全国12店舗のインストラクターを統括するディレクターとして、新規スタジオの設立や新人インストラクターの育成に携わる。2006年より代々木にある大手ヨガスクールの設立に共同経営者として参加。2年間で200名以上のヨガインストラクターの育成に携わる。

2008年、自身の追求する理想のヨガスクールを形にするため独立。東京目黒の学芸大学にリラヨガ・インスティテュートを設立する。それまでに学んださまざまな優れたヨガのエッセンスを再構築し体系化した「リラヨガ」を普及させるために活動を開始。

インドとアメリカを行き来しヨガの修行を続けながら、15年間で会員数が3,000名を超える日本有数のヨガスクールへと成長させる。これまでに指導した生徒の数はのべ3万人、養成に携わったインストラクターの数は1,500名を超える。

2019年には自由が丘にセラピストの学校「リラ・ホリスティックカレッジ」をオープン。近年はヒーラーとしての活動にも力を入れている。

趣味はブラジリアン柔術、街歩き、ダイビング、読書、温泉巡り。夢は日本中に健康の輪を広め、この世からいじめと自殺をなくすこと。

伝統と科学の融合。革新的なヨガメソッド「リラヨガ」のシステム

古来インドに伝わるヨガの伝統を重視しながらも、現代的な医学や解剖学、
生理学のアプローチを取り入れることで革新的な「リラヨガ」のシステムが確立されました。

古代インドの叡智と現代科学の融合

リラヨガのヨガシステムは“正しいアラインメントと精神性を重視したアーサナ” 、“機能解剖学に基づくアプローチ”、“人生を輝かせるヨガ哲学”の三つをベースにしており、これら三つの要素の相乗効果によって人生を輝きで満たしていきます。
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アーサナ実践五つのステップ

リラヨガでは全てのアーサナを実践するにあたり「五つのステップ」を踏むことで身体のみならず呼吸を整え、精神を統一し、至福感を得ることを目指します。
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創始者乳井真介について

リラヨガのヨガシステムは日本を代表するヨガインストラクターの一人、乳井真介によって確立されました。ヨガとの出会いによって人生を逆転させた乳井真介のストーリーはこちら。
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WiLL - 大切にする価値観と活動

ヨガの真の目的が成就される上で大切な3つの価値観を定義し、スタッフだけでなく受講生の皆様と共有しています。
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古代インドの叡智と現代科学の融合によって生まれたリラヨガのヨガシステム

リラヨガはインドの伝統とヨガ哲学を重視する“智恵としてのヨガ”と安全で効果的なヨガの実践を可能にする解剖生理学を融合することで生まれた日本発の革新的なヨガシステムです。リラヨガのヨガシステムは“正しいアラインメントと精神性を重視するアーサナ” 、“機能解剖学を取り入れたアプローチ”、“人生に輝きをもたらすヨガ哲学”の三つをベースにしており、これら三つの要素を同時に学び深めていくことで、独特の相乗効果が生まれ、心身のバランスが整い、真に健康で輝きに満ちた人生を手にすることが可能となります。

1. 正確なアラインメントと精神性を重視したアーサナの実践

アーサナの実践は身体と心を整え、毎日を健康でエネルギッシュに過ごしていくためのベースであり、ヨガのアプローチの最も特徴的な部分です。リラヨガのアーサナ実践のベースは、正確なアラインメントと呼吸、精神性の解放によって得られる至福感です。

解剖生理学に基づいた正しいアラインメントを重視しながらも、呼吸と動きの連動(ヴィンヤサ)を取り入れることで、アーサナの実践に躍動感が生まれ、身体全体に良質のプラーナ(生命エネルギー)が満ちていくのを助長するのです。リラヨガではアーサナを立位、アームバランス、バックベンド(後屈)、インバージョン(逆転)、ヒップオープニングの五つに分類し、それぞれのカテゴリーのアーサナをアーサナの五つのステップに従って深めていきます。

また、リラヨガではアーサナを行う際、勇気、自由、寛大さといった精神性をテーマとして取り入れることで、単にフィジカルな側面からだけではなく、精神的な側面からもヨガ的な資質を養っていくことを重視します。

2. 機能解剖学に基づくアプローチ

安全で効果的なアーサナの実践のためには身体の仕組みに対する正しい理解が必要不可欠です。リラヨガのアーサナ実践時のアラインメント(姿勢)は、身体のエキスパートである理学療法士陣を顧問に迎え、最新の解剖生理学や機能解剖学、運動学の理論をベースにして築かれています。正しい解剖生理学に対する知識は怪我を予防し、安全で効果的に筋力や柔軟性を高めていく上で大きな役割を果たしてくれます。

3. 人生に輝きをもたらすヨガ哲学

リラヨガがヨガ哲学のベースに据えているのはヨガの二大経典『ヨーガ・スートラ』と『バガヴァッド・ギーター』の教えです。これらヨガの二大経典には輝きに満ちた人生を手に入れるために必要な古代の賢者たちのさまざまな「智恵」が凝縮されて記されています。『ヨーガ・スートラ』と『バガヴァッド・ギーター』に説かれたヨガの智恵をしっかりと学び実践することで、マットを離れた日常生活の中にヨガの実践の場を広げ、人生全体を輝きで満たしていくことが可能となります。

アーサナ実践5つのステップ

アラインメントだけではなく、精神を解放し至福感を得るリラヨガ独自のアーサナへのアプローチ

1. 土台を築く

アーサナの実践時に最初に整えたいのは土台=マットに接している部分です。 土台が不正確で不安定だとどんなに頑張ってもその上に安定した姿勢を築くことは困難です。土台の“スタンス”、“位置”、“意識”、“重心”という四つの要素を一つ一つ正確に整えることが堅固な土台作りの基礎となります。

2. アラインメントを整える

堅固な土台を築いたら土台の上のアラインメント(骨の配列)を整えていきます。身体に無理な負荷をかけないためには正しいアラインメントを築いていくことが重要です。正しいアラインメントはアーサナの効果を深め、無駄な怪我を予防します。特に膝や肘はちょっとしたアラインメントのミスからすぐに痛めてしまいがちな部位ですので繊細な注意が必要となります。

3. エネルギーの流れを整える

アラインメントが整ったら身体の内側に流れるエネルギー(気)の流れを整えていきます。具体的には呼気によって強まる“陽のエネルギー”と吸気によって強まる“陰のエネルギー”のバランスを等しくするために、呼気と吸気を等しく保つ“ウジャイ呼吸”を使っていきます。

4. 精神を解放する

エネルギーの流れが整ったら特定の“精神的な資質”に意識をフォーカスします。たとえば“自由”という資質に意識をフォーカスする場合は大空を自由に羽ばたく鳥になったようなイメージを広げていくことで、胸の奥で忘れかけていた自分自身の自由さを喚起することを試みたりします。全く同じポーズを行っていてもネガティブな精神性に意識をフォーカスするのとポジティブで的確な精神性に意識をフォーカスするのとではアーサナの質に大きな差が生まれるのです。

5. 至福感に身を委ねる

ステップ4までの作業を忠実に行うことによって自然と“至福感”が満ちてくるようになります。 この“至福感”はシャヴァ・アーサナで多くの生徒が感じる感覚ですが、本来はシャヴァ・アーサナに限らずどのようなアーサナを行っている時も感じることが可能なのです。至福感が満ちてきたらあとはただその至福感に身を委ね、浸っていきます。

健康の五か条

リラヨガが重視する健康の法則

ヨガには人間の持つ自然治癒力を高め、免疫力を向上させる作用があることが証明されています。プラーナ(生命エネルギー)を身体中に満たし、真の健康を維持するためにリラヨガでは「正しい食事法」、「適切な睡眠」、「アーサナプラクティスによる正しい運動習慣」、「正しい呼吸法」、「ヨガ哲学を用いたポジティブシンキング」の5か条の実践を重視しています。これらの5か条の実践により、ヨガマットを離れた日常生活全体が輝き、ポジティブなオーラで満たされていくのです。

1. 正しい食事法

食生活が私たちの健康に大きな影響を与えることは、改めて指摘するまでもないでしょう。喫煙や飲酒の習慣が免疫力を下げることは常識となりつつありますが、意外と知られてないのが肉食の弊害です。肉には身体にとって有害な物質が多く含まれており、発がん性を持っていることはあまり知られていません。

ヨガではタバコ、アルコール、肉は三大タマス食品といい、私たちの免疫力を奪い、生命力を低下させる食品として避けるべきとされています。「肉を食べないと元気が出ない」は実は真っ赤な嘘なのです。事実、国立がん研究センターのホームページにも肉はタバコ、アルコールと共に発がん性が確証された数少ない食べ物にリストアップされています。

タバコやお酒、お肉、添加物や砂糖などが入った食品を避けるだけで、免疫機能の低下を大幅に抑えることができます。また、ヨガ的に生命力を高めるサットヴァ的な食べ物としては、生野菜のサラダ、旬のフルーツ、非遺伝子組み換えの豆類、無農薬の玄米、無添加のナッツ類などがあげられます。これらの食品をなるべく多くとることが免疫力を向上させることに役立つことでしょう。

2. 適切な睡眠

睡眠中に脳はその日一日インプットした情報を整理整頓するとともに、損傷した細胞の修復作業を行っています。十分な睡眠時間が確保できなかったり、睡眠が浅いと、脳は細胞の修復作業を進めることができなくなり、身体のあちこちに損傷した細胞が放置されたままになってしまいます。

これが免疫機能を落とす原因になるのです。睡眠時間を確保するとともに、副交感神経を優位にし睡眠の質を高めることが高い免疫力を保つ上で役に立ちます。自律神経は明るさや、食事、姿勢などによって影響を受けます。副交感神経を優位にし、深い眠りを得るためには、夕食後にゆったりと入浴し、なるべくパソコンやスマホに触れず過ごすことが重要です。

パソコンやスマホのブルーライトは非常に明るく、脳を刺激し交感神経を高めてしまうからです。お腹が空いているようならバナナなどのフルーツを少量食べてからベッドに入るのも、副交感神経のスイッチをオンにすることを助けてくれることでしょう。また、お気に入りのエッセンシャルオイルの香りをデフューザーでお部屋に満たすと、より副交感神経が刺激され、深い眠りに誘ってくれるはずです。

3. アーサナプラクティスによる正しい運動習慣

筋肉には身体を動かすこと以外にも、血流やリンパの流れを促進するポンプ作用、体温を上げる発熱作用があります。リンパ系は免疫機能と老廃物の排出をつかさどっていますので、定期的に運動を行うことで免疫機能を正常に保ち、免疫機能を低下させる老廃物を体外に排出させることができます。

また、運動によって筋肉が刺激されると、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは文字通り身体の成長と損傷した細胞の修復を促すホルモンですが、20歳をピークに分泌量は減少していき、60歳を過ぎると20歳の時の10分の1程度にまで下がってしまうと言われています。運動によって筋肉を刺激し続けることが、成長ホルモンの低下を抑制し、高い免疫機能を保つことを可能とさせるのです。

リラヨガのアーサナプラクティスはこの考え方に基づき、単に柔軟性だけを求めるのではなく、肩、腕、体幹、下半身といった全身の筋肉を強化し、鍛え上げながら、筋力と柔軟性を兼ね備えた強くしなやかな肉体を手に入れていくことを重視しています。

4. 正しい呼吸法

ヨガにおいて呼吸は特別な意味を持っています。深い吸気と呼気のバランスの取れた呼吸は生命エネルギーを身体全体に満たす非常に重要なステップだからです。プラーナーヤーマとは”生命エネルギーの拡張”といった意味の言葉ですが、正しい呼吸は私たちの身体を新鮮な生命エネルギーで満たし、輝かせるのです。現代人の多くは残念なことに浅く不規則な呼吸をしています。電車に乗って近くの人の呼吸を観察してみれば、いかに多くの人の呼吸が乱れているのかがすぐにわかります。これでは生命力を高めることができるはずもありません。

深い呼吸を行うためには横隔膜、肋間筋、首の筋群など、呼吸を生み出す筋肉をしっかりと鍛えることが重要です。この呼吸筋の筋トレにも先ほどご紹介した太陽礼拝の動きは非常に有効です。また、普段から自分の呼吸に対して意識的になる練習をしていくと、少しずつ呼吸がコントロールできるようになります。最終的には呼気と吸気のバランスが取れた深い呼吸(ウジャイ呼吸)をどんな時でも続けられるようになるのが理想ですが、初心者はまずは仰向けになって目を閉じ、自分の呼吸の深さを確認することから始めてみて下さい。

5. ヨガ哲学を用いたポジティブシンキング

継続的なストレスは交感神経の働きを促進し、身体に過剰な負荷を与えます。交感神経優位な状態は、過呼吸、心機能の亢進、高血圧、高血糖、消化器官への血流の抑制などの現象を引き起こし、これが長く続くと、身体の細胞は破壊され、免疫機能を大幅に低下させてしまうのです。

ストレスを避けるには、ネガティブな思考を止め、物事をポジティブに捉える練習をすることが重要です。放っておくと人間の意識はネガティブな対象に向けられてしまいがちです。これは私たちの祖先のうち、いち早くネガティブな対象に目を向け、危険を察知することができた者だけが生き残れたからであるという説があります。確かに危険を察知することは重要ですが、あまりにネガティブな対象に目を向け続けることは、逆に免疫力を下げて、自分自身の寿命を縮めてしまうことにつながりません。

どんな物事にもプラスの側面とマイナスの側面があります。マイナスの側面に向けられていた意識をプラスの側面に向けかえることで、ストレスは消え、私たちは身体の恒常性と正常な免疫機能を取り戻すことができるのです。

リラヨガが拠り所とする根本経典『ヨガ・スートラ』と『バガヴァッド・ギーター』に記されたヨガ哲学の教えには過酷な環境下においていかにポジティブに物事を捉えていけばいいのかについて2000年以上にわたり受け継がれてきた賢者たちの智慧が満載されています。ヨガ哲学の教えを正しく理解することでどんな闇の中にも光の側面があることを見出すことができるようになることでしょう。