東京学芸大学・自由が丘 - ヨガインストラクター資格養成スクール

コロナ後の世界で求められる新しいライフスタイルとは?

こんにちは。ディレクターの乳井真介です。

緊急事態宣言が多くの地域で解除され、新型コロナウイルスの長いトンネルにもようやく出口のようなものが見えはじめてきた今日この頃ですが、みなさまはいかがお過ごしですか?今日は新型コロナウイル収束後の世界がどのようになっていくのかについて私自身の考えを述べてみたいと思います。

コロナ前とコロナ後では、人々の生活様式はまったく異なるものになるだろうと多くの専門家が指摘していますが、私もこの意見に同感です。今月末には東京でも緊急事態宣言が解除されるはずですが、たとえ緊急事態宣言が解除されても、もう世の中がコロナ前と全く同じ状態に戻ることはないでしょう。今回の新型コロナウイルスのような非常に大きな”負荷”のかかる経験をすると、人はその高い負荷に耐えうるように適応し始めます。9.11の時も、リーマンショックの時も、東日本大震災の時も、その大きな負荷は私たち人間の精神に大きなショックを与え、私たちの行動様式、生活様式を大きく変容させてきました。許容範囲の外にあった事態に適応できるように自らの許容範囲を広げ、新たな生活様式を手に入れること。これはある意味生命の歴史全体を通して常に行われてきた進化のプロセスなのです。地球上に生命が誕生して以来、私たちは常に新しい環境の変化に適応し続けることで進化し、ここまでやってきました。

今回の新型コロナウイルスが私たちに与えたインパクトは、9.11とリーマンショックと東日本大震災をすべて一度に経験するくらい大きなものだと私は思っています。新型コロナウイルスが本格的に蔓延するようになったたったこの3、4か月間で、私たちはこれまでの生活様式、行動様式を捨て、新しい価値観に基づいた新しい生活様式へ移ることをなかば強制的に促されています。では、新型コロナウイルス収束後に私たちが手にするであろう新しい生活様式はどのようなものになるのでしょうか?ライフスタイル、運動習慣、食習慣、働き方、死生観という5つの観点から考えてみたいと思います。

1.健康重視のシンプルなライフスタイルへのシフト

今回の新型コロナウイルスの蔓延によって多くの方が犠牲になりました。そして、多くの有名人の死は私たちに大きなショックを与えました。今回の新型コロナウイルスで亡くなった方の傾向性をデータから抽出すると、1.高齢者、2.基礎疾患のある方、3.喫煙者、4.肥満体質の方などとなります。つまり、もともと健康を害しており、免疫機能の低下していた方たちが今回の新型コロナウイルスの犠牲者になっているのです。20代、30代で基礎疾患がなく、非喫煙者でスリムな体型をしている方のほとんどは、たとえウイルスに感染しても重症化することなく早期に回復しています。新型コロナウイルスに感染し、亡くなった方に共通しているのは、不健康な生活習慣に起因する免疫機能と生命力の低下です。どんなに鈍感な人でも、今この事実に気づき始めています。

新型コロナウイルスは多くの人にとってこれまでの不健康なライフスタイルから、免疫機能を高く保つために必要な健康重視のライフスタイルへシフトすることを強制的に促しているのかもしれません。緊急事態宣言解除後も、第二波、第三波の到来に備えて免疫機能を高めることは全国民共通の課題となります。コロナウイルス収束後は、日本国民全体が、もっと言えば世界中の人々が、健康重視のライフスタイルへと大きくシフトし、その流れは一気に加速していくことでしょう。人間は危機意識を持たないとなかなか行動を変えないズボラな動物です。自然淘汰の原理が人間にも適用されることでもたらされる不健康=生き残れないというシビアな現実が、人々の健康への意識を変えていくのです。

また、今回の緊急事態宣言で自粛生活が長く続いたことで、多くの人が外食や観光、衣服などの購買活動を控えるようになりました。それによって、これまで無意識に大量消費していた商品が、なくてもそれほど困らないものであることに気づいた方は多いことでしょう。人生にとって本当に必要なものと必要でないものを取捨選択する、いわば半強制的な断捨離が、今回の新型コロナウイルスの蔓延によって全国民に課せられています。これからの時代は経済規模の縮小も相まって、必要最低限のものに囲まれて生活するミニマリストたちが一気に増えて、多くの人々の生活がよりシンプルで安上がり、無駄のないものになっていくはずです。海外旅行よりも国内旅行でなごみ、豪華な外食よりも自宅での宅飲み、高級ホテルよりも友だちの家でのホームパーティー、きらびやかなシャンパンよりもしぼりたてのスムージー、など。

もともとヨガの修業は標高数千メートルのヒマラヤの奥地にある洞窟の中で行われていました。ヨーギたちは必要最小限の持ち物とわずかな植物性の食べ物を摂取しながら修業にはげみ、150歳まで生きたと言われています。実際私がインドで出会ってきたヨガの師たちも、70歳、80歳を超えても若々しく、生命力に満ち溢れていました。古代のヨガの修行者のような、健康的で無駄のないシンプルなライフスタイルこそコロナ後の世界に求められるライフスタイルと言えるでしょう。

2.定期的な運動習慣の定着

健康重視のライフスタイルを送る上で欠かせないのが定期的な運動習慣です。定期的な運動習慣が生活習慣病の予防と免疫機能の向上に役立つことは周知の事実です。平成30年の厚生労働省による国民栄養調査によると、定期的な運動習慣(1回 30 分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者)の割合は4割弱しかいません。つまり全国民の60%以上の人は定期的な運動習慣がありません。これまで運動習慣のなかった方の多くは今回の新型コロナウイルスの蔓延によって、運動の必要性についての危機意識を高めていることでしょう。

運動不足の方が手軽に運動を始めるのに最適なのが、ジムやフィットネスクラブです。しかし、これらの施設は三密を生み出してしまうため、これからの時代はこれまでと同じような詰め込み式の営業はできなくなることでしょう。そこで、ジムやフィットネスクラブに通わずとも行える手軽な運動習慣形成の手段として注目されると思われるのがヨガのアーサナ(ポーズ)です。ヨガのアーサナは一度正しいやり方さえ覚えてしまえば、インストラクターの指示や器具がなくても、自宅にいながら畳一畳分のスペースで取り組めてしまいます。しかも筋力を手に入れるだけではなく、全身の柔軟性を高め、免疫機能を低下させる老廃物のたまりにくい身体を作り出してくれるのです。今後自宅で気軽に行える運動習慣としてヨガアーサナの需要は一気に高まることでしょう。これまで運動習慣のなかった方たちが毎日自宅でヨガのアーサナを実践するようになったらどれだけ日本人は健康になることでしょうか?ヨーギとして知られるインドのモディ首相やカナダのトルドー首相のように、安倍総理や管官房長官が毎朝スーリャ・ナマスカーラやヘッドスタンドを実践する時代がやって来ることを想像するだけでワクワクしてきます。政府の関係者のみなさま、もしご入用でしたら私はいつでも無料で馳せ参じヨガ指導をさせていただきます。ぜひご連絡ください!

3.ヘルシーな食生活の普及

定期的な運動習慣とともに、健康なライフスタイルを手に入れる上で必要不可欠なのが食生活の改善です。喫煙や飲酒の習慣が免疫機能を低下させることは多くの国民にとって周知の事実になってきました。飲酒をする人の割合は現在50%を切ったようですが、今後この割合は加速的に下がっていき、タバコ同様、飲酒する=カッコ悪いという時代がもうすぐやってくることでしょう。今回の新型コロナウイルスの蔓延を機に、喫煙や禁酒を決意した方は多いはずです。飲酒しない人が増えると、ノンアルコールのドリンクへの需要が増えます。すでにアルコールフリーのビールの売り上げはうなぎのぼりですし、ノンアルコールのカクテルを出すバーが繁盛し始めているというニュースも聞きます。店内を全面禁煙にすることでスターバックスが一気に流行ったように、禁酒の飲食店が流行の先端を行く時代がもうすぐそこまで来ています。

タバコとアルコールと並んで、肉は発がん性が非常に高い食べ物です。しかし、日本ではこの肉食の危険性はまだほとんど知られていません。私からすれば日本の食文化はガラパゴス化しており、肉を食べないと力が出ないといった古い栄養学に基づいた固定概念が蔓延しています。多量の抗生物質を投与して育て上げられた動物の肉には多くの毒素が蓄積しており、実際のところは肉を食べれば食べるほど病気への抵抗力は失われていくというのが事実なのです。ヨガの賢者たちは今から2000年前にすでにこの事実に気づいており、タバコ、アルコール、肉を、病気への抵抗力を失わせ、闇をもたらす三種の食べ物として強く避けるように促しています。書店に赴けば食に関するさまざまな書籍が溢れていますが、人間が何を食べれば健康で長生きができるのかという結論はすでに数千年前に出されていたのです。
国立がん研究センターのデータを見る

今後健康意識の高まりとともに、タバコとアルコールに並んで多くの人が肉食の習慣を見直し、肉を食べる人がどんどん減っていくことでしょう。事実日本人の多くが肉食文化の象徴的な国と思っているアメリカでも現在2000万人ものビーガン(動物性食品を全く摂取しない人)がいるというデータがあります。ドイツではすでに全人口の10%がビーガンです。多くの日本人がタバコ離れ、アルコール離れと共に、古い栄養学を払拭し肉離れをするようになれば、健康な日本人の数は一気に増えることでしょう。健康志向の高まりにしっかりと適応して、新しいメニューをいかに柔軟に提供できるようになるかが、今後飲食店が生き残っていくためのカギだと私は思っています。どの飲食店に入っても禁煙は当然の事、搾りたてのフレッシュジュースやスムージーが充実していて、ビーガン対応のメニューが揃えられ、無農薬の玄米が提供される。新型コロナウイルスがそんな時代の到来を一足早くもたらしてくれるのだとすれば、すべてが悪いとは言い切れないかもしれません。
世界のビーガンに関するデータはこちら

4.大副業時代の到来

新型コロナウイルスの蔓延によって経済がストップしたことで、現在多くの企業が存続の危機に直面しています。飲食業や観光業に携わる人の中にはすでに職を失った方も多数いらっしゃいます。今回のような経済的混乱の中では、一つの職種にしがみつくことはリスクをもたらします。アメリカには「収入のポケットは5つ持て」という言葉がありますが、これは緊急事態に備えてお金が流入するポケット=収入源を5つ用意しておくようにという教訓です。たとえ一つの収入源が絶たれたとしても、他の4つの収入源のうちのいずれかが保たれていたら最悪の事態を免れることができます。これからの時代はどのような大企業でも突然倒産するリスクを考えなければいけません。急激な時代の変化の中で生き残るには正業以外にも複数の副業を持ち、正業がダメになった時のための収入源のポケットの数を増やすことが重要なのです。私自身、ヨガインストラクターという正業のほかに、自らが所有するヨガスクールとセラピスト養成スクールを経営する経営者、ヨガスタジオやリラクゼーションサロンを対象とした経営コンサルタント、原因不明の痛みを取り除く「ヨガエナジー(商標登録出願中)」という整体メソッドを使うセラピストとしての顔を持っています。

副業を見つける上で重要なのは、時代の流れを適確に先読みする力です。たとえば弁護士や司法書士、税理士などの「士業」は今後AIの発達とともに無くなる職業と言われています。これら需要がなくなることが予想される職業の資格取得に多大なお金と時間を割いて投資しても、一人前に稼げるようになるころには誰にも必要とされなくなってしまっては目も当てられません。そういう意味でヨガ講師はこれからの時代に求められる理想的な職業の一つと言えるでしょう。先述したように新型コロナウイルスの出現による健康意識の高まりとともに、今後ヨガの需要がどんどん高まっていくことが予想されるからです。事実、『ヨガジャーナル』誌が行った市場調査によると、ヨガ人口はここ数年で現在の2倍の1200万人にまで膨れ上がると言われています。

当校のインストラクターや卒業生も、ヨガ一本で生活している人は非常に少なく、OL×ヨガインストラクター、主婦×ヨガインストラクター、モデル×ヨガインストラクター、歯科衛生士×ヨガインストラクター、理学療法士×ヨガインストラクター、保育士×ヨガインストラクター、看護師×ヨガインストラクター、グラフィックデザイナー×ヨガインストラクター、SE×ヨガインストラクター、農家×ヨガインストラクター、医師×ヨガインストラクターなど、さまざまな職業とヨガインストラクターの仕事を両立されています。ヨガマット一枚あれば自宅のリビングで教室を開けてしまうヨガインストラクターの副業としての需要は今後急増していくことでしょう。近い将来、宇宙飛行士×ヨガインストラクター、マジシャン×ヨガインストラクターなど、もっと面白い職業の組み合わせがたくさん出てくるかもしれません。誰もが副業でヨガを教えるようになる時代がそこまでやって来ています。

5.変わる死生観

今回の新型コロナウイルスの蔓延によって多くの人が命を落としました。これだけ多くの人の死を目の前にすると、当然私たちは死について深く考えざるを得なくなります。普段自分がなぜこの世に生まれ、なぜ生き、なぜ死んでいくのかという哲学的な問いに無関心だった人も、自らの死を見つめれば見つめるほどこの問いに対する答えを知りたくなることでしょう。ヨガ哲学にはこの「人はなぜ生まれ、なぜ生き、なぜ死ぬのか」という人類にとって究極の問いに対する古代インドの賢者たちの智恵が凝縮されています。ヨガ哲学を学ぶことは、人生というゲームのルールを学ぶことにほかなりません。ゲームのルールが分からなければそのゲームは楽しめません。今回の新型コロナウイルスの蔓延では通常冷静にふるまっている人の多くが混乱状態に陥っているように私には見えます。そして、むやみやたらに自分と異なる価値観を持った相手を攻撃し続けています。これはゲーム中に突然現れた敵の倒し方がわからなくなり、混乱して明後日の方向に向かって攻撃を仕掛けるプレーヤーのようなものです。一度人生というゲームのルールを理解すれば、たとえ今回の新型コロナウイルスのような難敵が突然目の前に現れても、冷静に立ち向かっていくことができるようになります。そればかりか、敵と戦うプロセスを楽しめるようにさえなるのです。

新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに自らの死を身近に感じたことで、今後多くの人々が古代インドの賢者たちが残したヨガ哲学の智恵を求めるようになることでしょう。自分がいかに適当に、ルールを無視して人生というゲームをプレイしてきたかという事実に今多くの人が気づき始めています。新型コロナウイルスだけではなく、昨今の異常気象も私たち人類がルールを無視し続けてきたことに対する地球の怒りの表れだと私は思っています。地球上に住むすべての人類がヨガ哲学を学ぶことで、自らがこの世に生まれてきたことの真の意味を知り、人生というゲームを正しくプレイすることができるようになれば、人類はこれまでよりも一段高いステージにあがり、地球はより平和で愛に満ちた惑星へと変容することでしょう。

 

以上、ライフスタイル、運動習慣、食習慣、働き方、死生観という5つの観点から、新型コロナウイルス蔓延収束後の世界を占ってみました。あらためて読み返していただけば、新型コロナウイルスはこれまでの古い価値観に基づく生活様式から、健康と地球を大事にした、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に取り戻すヨガ的なライフスタイルへと私たちを一気にシフトさせようとしているのがお分かりになるはずです。この長いコロナのトンネルを抜けた先には、これまでとはまったく異なる世界の景色が広がっていることでしょう。

時代を先読みしましょう。そして一緒に上手に時代の波乗りをしましょう!多くの人が思ってるほど悪くない場所に、きっとその波は私たちを運んでくれるはずです。

乳井真介

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